舛添東京都知事の辞職が大きく報道されています。
若年層を中心に国民の間では政治不信といいますか、政治無関心が叫ばれてもう久しいです。
報道というのは、珍しいことが注目されますので、政治関連でも珍しいことが起こると報道されます。
しかしながら、その珍しいことというのは、普段の議会活動や政治活動の中では、珍しいことというぐらいですから、ほんの数パーセントでしかなく、残りの90数パーセントはなんの問題もなく、国民のための地道な議会活動、政治活動が粛々と進められているのです。具体的に言えば、同じ党内で採決が割れたり、自民党、民進党で政策がぶつかったりするとニュース性があり、報道されますが、普段は自民党と民進党で歩調を合わせて、国民のための法案を成立させていることも多いのですが、そのことはほとんど報道されません。政党同士で争ってたり、身内で揉めたりしていることばかり報道されるので、国民からしてみると、『そんなけんかしないで』『国民のための政治をして』等々、政治不信が進み、最終的には政治無関心な人が増えてしまうのではないでしょうか。
それでは、どうして普段の議会活動や政治活動が報道されないのでしょうか。それは、国民からみてわかりづらい、つまらない、といういわゆる議会の形骸化が考えられます。
どうしてつまらないかということを解説したいと思います。
2元代表制を採用する地方議会では、首長と議員は別々に選挙で選ばれているので、それぞれ役割が異なります。予算を提案し、執行する首長に対し、議会はその予算案を議決したり、行政を監視したりするチェック機能が求められています。役割が違うので、本来、首長に対して議会内で与党も野党もないはずで、是々非々であるべきですが、実態はそうなっていない議会も多いのではないでしょうか。例えば、与党のベテラン議員は議会で質問に立つことをしない方もおられます。議会で質問しなくても、首長に議会外で直接要望し、首長の提案に盛り込ませることも可能だからです。逆に、野党の議員が議会で質問に立つ頃には、政策が既に固まっているので、どんなに質問してもほとんど政策が変更されることはあまりないのかもしれません。そうすると、議会を傍聴している市民からしてみると、議会は形骸化していて、議会では何も動かない、決まらないということで、つまらないという印象を持ってしまう可能性があります。※ベテラン議員でも質問に立たれる議員もおられます。
以上のことから、議会の形骸化から、政治がつまらないという流れになり、その結果、普段の議会活動は報道されず、報道されるのは争い等の珍しいケースばかりとなり、政治不信に繋がり、最終的には政治無関心な層を増やしているのではないかと考えます。
梶岡博樹